「極悪女王」とは?
1970年代後半から80年代にかけて、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ女子プロレス。
その黄金期に、「史上最強の悪役(ヒール)」として君臨したダンプ松本選手の半生を描いた作品です。
当時のプロレス界の熱気や、時代の空気感まで見事に再現されており、まるでタイムスリップしたかのような臨場感を味わうことができます。
ダンプ松本選手の役をゆりやんレトリィバアさんが演じました。
ライバルの長与千種選手役に唐田えりかさん、ライオネス飛鳥選手役に剛力彩芽さんが演じています。
キャスティングが秀逸
正直ダンプ松本選手役はゆりやんレトリィバアさんと知った時、見た目は似ているけど(失礼)プロレスラーの役をやり切れるのかと思っていましたが・・・
実際にドラマを観てみたら、再現度が高くて驚き。
リング上での佇まい、独特の話し方、そして何より、かつて子供だった私を震え上がらせた”恐怖の女王”の威圧感まで、見事に再現されているのです。
昔私がテレビで見て恐ろしいと思ったダンプ松本選手そのものでした。
健康のために45キロも減量したのに、映画の話が決まってから40キロも増量したゆりやんレトリィバアさんの根性も凄い。
(撮影後30キロ体重を落としているとのこと)
ちょっと細めのクラッシュギャルズも完成度高め
長与千種選手に唐田えりかさん、ライオネス飛鳥選手に剛力彩芽さんというのも最初は違和感がありました。
唐田えりかさんは演技よりもプライベートの方が印象に残っているし(そもそもワイドショーでしか名前を見たことがなかった)
剛力彩芽さんも演技よりプライベートの方の話題の方で名前を聞く程度。
しかし、唐田エリカさんが血を流しながらも戦い抜く姿には、かつての長与千種選手そのものの気迫が宿っていました。
剛力彩芽さんは私が記憶しているライオネス飛鳥選手の髪型にそっくり!
体格は実在の選手より華奢に見えるものの、懸命なトレーニングの成果で見事な試合シーンを披露しています。
女優さんがジャイアントスイングをする姿を見るとは思いませんでした。
デビル雅美選手役がハマりすぎ
個人的に、最も衝撃を受けたのがデビル雅美役を演じた根矢涼香さん。
私が記憶しているデビル雅美選手そっくりでした。
デビル雅美選手特有の鋭い眼差しから、独特な雰囲気まで、再現度は群を抜いています。
「極悪女王」で初めて根矢涼香さんを知ったのですが、久しぶりに身体と心すべてを演じる女優さんを観た気がします。
続編に期待
「極悪女王」はプロレスラーという難しい役を全てのキャストが見事に演じた作品です。
ゆりやんレトリィバアさん、女優としてもこれから活躍して欲しい。
ドラマを持っているプロレスラーは他にもたくさんいると思うので、続編があったら嬉しいな。
プロレス界には、まだまだ語るべき素晴らしい物語がたくさん眠っているはず。
私も数年前からプロレスが好きで、試合を観に行くようになったので、「極悪女王」を観てプロレスに興味を持ってくれる人が増えたら更に嬉しいです。